
キリスト伝(三連祭壇扉絵)

フィリップ豪胆公によって注文され、ジャック・ド・ベルツが制作した三連祭壇彫刻の彩色と左右両翼外側を飾る板絵はイープルの画家メルキオール・ブルーデルラム(活動期1378〜1409)に注文された。祭壇の発注は1390年頃で、この板絵がディジョンに届けられたのは1399年。

左扉に「受胎告知」「聖母のエリザベツ訪問」、右扉に「神殿奉献」「エジプトへの逃避」が室内と戸外を組み合わせて描かれている。室内の空間表現にはイタリア絵画の影響が見られる。
「神殿奉献」の神殿はアンブロージョ・ロレンツェッティの「神殿奉献(宮参り 1342年)」との関連が指摘され、タピスリー「アンジェの黙示録(1375〜80年)」の「天使より杖のような物差しを与えられるヨハネ」にも同様な建築表現が見られる。
イタリア絵画の空間表現は長い期間にわたって影響を与え続けていたらしい。人物表現では、丸顔で健康的な聖母、農民のような容姿のヨセフなど、14世紀中頃からの写実主義が受け継がれていたことが示されている。
アンブロージョ・ロレンツェッティ 神殿奉献
世界美術大全集10 ゴシック2 1390年代
キリスト伝(三連祭壇扉絵)
ブルーデルラム 1399年
板 162×260cm
フランス ディジョン美術館
「神殿奉献」の神殿はアンブロージョ・ロレンツェッティの「神殿奉献(宮参り 1342年)」との関連が指摘され、タピスリー「アンジェの黙示録(1375〜80年)」の「天使より杖のような物差しを与えられるヨハネ」にも同様な建築表現が見られる。
イタリア絵画の空間表現は長い期間にわたって影響を与え続けていたらしい。人物表現では、丸顔で健康的な聖母、農民のような容姿のヨセフなど、14世紀中頃からの写実主義が受け継がれていたことが示されている。
アンブロージョ・ロレンツェッティ 神殿奉献
世界美術大全集10 ゴシック2 1390年代
ブルーデルラム 1399年
板 162×260cm
フランス ディジョン美術館